2010年8月2日

「努力」という並の表現ではとらえきれない営為ー下村脩教授の「私の履歴書」を読んでー

 2008年ノーベル化学賞受賞者下村脩教授の『日本経済新聞』「私の履歴書」の連載が終わった。毎回感動と畏敬の念をもって拝読させていただいた。

 連載には「努力」「がんばる」という表現が数多くしようされ、最終回(7月31日)にも若者たちに「あきらめず、がんばれー失敗気にせず逃げないでー」と呼びかける。しかし教授の努力の持続と研究対象に対する愛着は月並みな表現ではとらえきれない。しかも教授の経歴から見て取れるように、研究対象は主体的に獲得されたものではなく、上司から当てられたものであった。それを自らの楽しみに転換できるのは相当の葛藤と時間が必要だったのではないだろうか。

 私などは好きなものを研究対象として取り上げてきた。研究の経過の中でおもしろいと感じ始めたらしめたものだった。そんなことばかりやっているから研究成果も半端なものになり、周囲に嫌われもした。下村教授の生き様を私自身がまだ成長の過程にあるときに学ぶことができたら、私の人生ももっと豊かなものになっていたに違いない。

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