2012年5月3日−景観を壊してまでつくる必要があるのか−

 数日前、岡崎公園都メッセの古書市にでかけたついでに道路を挟んで向かいにある京都会館を覗いてみた。京都市が建て替えを提案しているというので、今はどのような状態なのか確かめてみたかった。
 京都市は老朽化を理由に建て替えるとし、オペラも上演できる装置を持つ、国債観光都市にふさわしいホールにするというのだ。当然、景観地区の高さ規制を変更して立て直すということになる。
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 覗いてみるとすでに閉鎖されて、人影もなかった。取り壊しを待っている状態に特有の寂寞感が身にしみた。この建物にはいろいろな思い出がある。音楽会、演劇に出かけたほかにも、ここでさまざまな会合に参加した思い出がある。
 建物の外観を見る限り、洗えば見違えるほど美しくなるはずだし、内部の構造を変えるだけでまだ十分に使えるのではないか。何でも古くなったことを理由に壊して新しいものと取り替える行政はやめにしよう、ハコモノをつくって成果を強調する政治は終わらせよう。
 それにしても、オペラも演じられるホールをつくる必要があるのだろうか。大阪にも大津にもオペラを上演できるホールがあるのに、あえてもう一つつくる必要だどこにあるのか。しかも景観を壊してまで大きな威圧感のある建物を造る必要があるのか。どうしてもつくりたいというのなら、地下を掘り下げるのがよいだろう。このまちの姉妹都市であるドイツのケルン市のフィルハーモニー・ホールはライン河畔の歴史的保存地区であることから、地下を掘り込んで建てられている。それくらいのことをして賞賛を浴びることも必要ではないか。しかしその場合でも採算を考えてのことではあるが。
 今からでも遅くない。壊すのを延期し再検討せよ。

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このページは、kitanihitoが2012年5月 3日 15:25に書いたブログ記事です。

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